それぞれの夕日/舞狐
 
きれいな夕日を
三人で見た

暮れゆく空にピンクが咲いていた

二度と訪れることのない
今日の夕日

二人が
母との懐かしい記憶として残してくれたらと

そして私は
冥土の土産にと


都会へと旅立つ娘と
淋しそうにそれを見送る幼い弟と

娘を駅まで見送る道すがら
三人で見た
この夕日
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