スイングバイ/Lily Philia
 



あたしたちを支えあってる重力は
ぶらんこみたいに
そっと息を詰めて
あたしはむせかえるようなひかりに
あたたかな胸を浸して
果てなんてないような
ひどく澄んだひだまりと
おもいおもい波との距離とを
きれいになんて測れはしないから
おんなじ分だけ
伸ばしたところで揺れている
永遠のことを
だれにも壊されたりしない
正夢のつづきのことを
なんどだって祈って
雪よりも白い
白い天井の
はしばしからせりあがる
刃物みたいな泡を
いつだって舐めあって
ありったけの
酸素と熱で補いつづけて
泡と泡とひかりで補いつづけて

熱帯の日が
結んだ手のひら
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