いらつき/はだいろ
いらつきは雨のよう
ホームに駆け下りたら
行ってしまった電車
半分だけ見て出た映画
飲みかけのアイスティー
しおりをなくした小説
時がたっても
大人になっても
ぜったいにゆるすことができないことも
きっとあきらめることはできたって
あきらめるように気がついた
あれは夢だったから
いつかはしゃぼんのように
われるきまりだっただけ
そして部屋を片付けることにしただけ
あんなにも楽しかったのは
あれがただの夢だったから
うまく眠れず
くりかえしつまらない場面を思い出し
それでも遅く起きた日曜日
まどの外はとてもこまかい雨
とても静かな雨
きのうのいらつきももう消えた
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