まくらむすび/Lily Philia
 

遠くつま先立ちで
なんどもぴかぴかの泡の上を歩く星座の行進
(しずかな限界)
満ちてきた波打ち際が髪を濡らし
つよく つよくて
あたし 目を閉じてしまう
(水平線の呼吸は起伏する胸郭をなぞり)
あたしは目を閉じてしまう
よこたわる肌 そのままに
砂柔らかく くいこみ
浜辺は白くて
傷つくほどに白くて
寝返りをうつだけの 波
光きれぎれに
かけら こぼれる
波しぶき ひとあしごと
影おとして
(爪先から火柱)

あたしはゆっくりと
沖の方へと視線を移す。


 (飽和する声。
 ひかり、ちるといい。
 ひかり、ちるといい。
 (それでね、ただ一
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