童心/
Lily Philia
れたばかりの露が
きれぎれに淡く
わずかに日光を湛えて
すきとおってゆくのを
みていたい
頬をなぜ夏の風は
電解質にも似たにおいを散らし
きらきらと波を巡りだす
そしてずんずん
もつれて渡っていってしまう
終わるんだよ
終わるんだよ
だからあたしは
おもいつづけていよう
花の咲く音と音とを
かかえていた
いとおしいあの日々を
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