終わってしまった/寒雪
 

明日の残酷なまでの輪郭が
うっすらと鼻先を泳ぎ回る


いずれ偽者の光は駆逐されて
自らの存在をも消し去ってしまうほどの
しっかりとした手触りを伴った
世界の実像が現れるに違いない
たとえ多数決の全体主義が
多くの涙をないがしろにして
角のゴミ箱にすべて押し込めたとしても
自分だけは
足元の感覚だけを頼りに
ただひたすら
いずれ見えてくる喜びに向かって
懸命に立ち続ける


そう
夢を見る時間はもう終わってしまった
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