シトロン/Lily Philia
在もわからなくしてしまった。
そう、あれ
みんな燃えつづけてる。
みずたまりの
はねて
のいばらの
白
置いてゆかれたように
あたしの中心をなぞる。
かがやかなうたは知らない。
いつも
雨の止んだ朝みたいなの
鼓膜の縁で蟲がないている。
夏草へ横たえた胸
こぼれつづけた
のいばら
薄情な白色
「はながちったら
ゆきましょう
はながさいたら
ゆきましょう
そうして
かれら
なんていったかしら
めを
ほそめて
くちを
つぐんで
あたしはいつまでも
うつぶせたまま
あたしじし
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