赤と黒/凪 ちひろ
 
「私とあなたは違うの」
理性的な 論理的分析の つもりだった
でも あなたにとってそれは 拒絶でしかなかった
傷ついたあなたが
しおらしく 悲しんでくれればよかったのに・・・

あなたは攻撃を選んだ
それが 事態をいっそう 悪くした



赤のポールが御旗を揚げ
間もなく黒の 御旗も揚がった

ラッパ音が 荒れ地に響く
似つかわしくない 豊潤な音で

戦いの最中
赤は群れることを好み
黒はそれが許せなかった

赤と黒は入り混じり
憎しみに 憎しみが ぶつかった

そして

数の勝利
赤の女王は 取り巻きを連れて微笑んだ





教室の片隅で 雨粒に目をやる

ああ 人間とは違う 美しい色





赤の女王の足音が近づいてくる




負けたわたしはせめて演じてみせよう
孤高という美しさを
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