地球儀の声(二)/信天翁
 
    死んでいる鬼瓦めざして
        何の予告もなく
     銀色の竹とんぼが来訪
          唸りながら
       怒鳴りつけてきた
  隣り町の宝石店の宣伝である
      (自己満足みたいな)
 三回ばかり飛びまわったあげく
     南の空へ去っていった

           その途端
  どこかで昼花火を打ち上げた
       ポーンと一発だけ
(竹とんぼを無視したかのように)
   ほこらの祭りなのだろうか
    地球儀の声なのだろうか
戻る   Point(4)