魚人との日々/キメラ
ポンとたたくのだ。それをされると何故か憎しみのドグマが静まり、邪悪な死神がきえていくのだ。これは不思議なことで毎回つづいた。
5年前嫁がでかい荷物をかかえて家に転がり込んできたとき、床に手をついて、これからお世話になります。よろしくお願いします。と言った。同棲はそれまでも何度かしたことあったが、全員追い出して終わった。レノンばりに気難しいので続かないのである。うちに来たとき嫁は魚人(ぎょじん)だった。なんていうか心の友達というようなそんな設定で、微塵も嫌な気持ちにさせない立ち振る舞いを演じていた。ロリマスさんもっともですわ、本当そう思いますわ。魚人思いますに、ロリマスさんの作る料理最高ですわ。
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)