無病息災 生きている 大人編 4/Tシャツ
ならなかったら、ろくな大人になれなかったと思うって。病気でよかったよって。おっちゃんは通院するなら見舞いに来なさいって横になる。どこかで看護婦の走る音がする。小学生の頃から何度も感じる不思議な感覚。うすあかりのこの病棟の病室のどこかで誰かが死にそうになってるって足音。でも、みんないびきをかいて寝る。私も何も感じない。とても不思議だけど穏やかな時間だって思う。私は精神科医の診察を受ける。どうやら鬱病だったらしい。自分でも信じられない。あなた、かつらとれてますよ。ええ!?みたいな?退院して抗うつ剤を飲むようになると、私はべらべらしゃべるようになる。本当に鬱だったのかなって思うけど。前の方が落ち着いてて
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