無病息災 生きている 大人編 4/Tシャツ
 
 自分が死んだら 誰かが泣いたら 私は少し面倒だなって思う。そんな気持ちわかるでしょうかね。 

 入院生活が終わりを告げる前日の夜。私は消灯直前に一人で共同の洗面台で自分の顔を見る。2週間で5キロ痩せた。友人はお笑いのカラテカじゃねぇかって笑う。私がぺたぺたスリッパの音をさせ、自分のベッドに戻るとすぐに部屋の電気が消えた。もうこのベッドは最後。隣のアニキはもうとっくに退院して元気にやってるらしい。明後日から、このベッドには誰が寝るのか。隣のおっちゃんと話をする。おっちゃんと私は同じ病気。俺はもう70も生きたからな。もういいんだよ。だがな兄ちゃん…気の毒になぁ。私は言う。きっと自分は病気になら
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