ぬくもり/砂木
らも みじめで
弱い自分を憎んで 詩を憎んで
詩の投稿をもうやめると言った時に
なんの責任もとれなかったけど やめないでと
やめないでと すがりついたのだった
さみしくて悲しくて ひたすらすがりついて
彼女はやめずにいてくれた
そして挫折の元であった試験にも合格し
掲示版の詩友さん達がみんな彼女に
おめでとう と声をかけた
おめでとう と書かれたレスに
ありがとうありがとうとお礼を述べて
詩を書くのはみじめで嫌なままでなく
良い思い出にもなるんじゃないかなと
ひきとめた私は 嬉しかった
けれど 仕事を持った彼女は多分 忙しくなり
いつのまにかなんの音信もとれなくなった
でもそれは オンでもオフでも良くある事で
念願の仕事についた彼女の嬉しそうな様子を
よい思い出として さみしくなくならせたのだ
数年もたつのに 砂木しゃんなんて
おばかな呼び方でも私は答えると信じてくれている
まだ まだ 覚えていてくれたのか
傷口から放たれる光 やさしい時間の相方
水の花に ぬくもりをありがとう
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