HOPE/丘野 こ鳩
動機のないことが肝心でした
ことばを失わなければ意味がない
そんなふうに思っていました、つよく
それで、いまも
いまも手をのばしている
両手で頬を、挟み、包み、掬いとりたいと、考えています
つよく
絆に強度などはなく
すばらしい入口の、分け目を、探っている
挨拶を、している
ゆっくり、ていねいに、
こうするしか、
ないという、方法で
存在する触覚を、みとめている
互いが、どうしようもなく、ひとりで在ることを、ゆるしたいので
折りたたみ、お腹のポケットにしまっている
ハンケチみたいな、その概念を、ひらいてみせ、ゆびさし説き、ほどき、
糸屑にして、交換しあう
(
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