「 ステージ 」/椎名
 
流れてくるのは軽快なジャズ

演奏者も視聴者も

酔いしれている

リズムに

むせぶような音に



楽器がまるで命を吹き込まれたかのように

切ない音を出す

自然に身体が動き出すくらいリズミカルなのに

なぜか哀しい



音が

唄っているのではなく

泣いてる



みんな自分のこころの哀しみ

音と同調させて

リズムにのる

そこだけは

それぞれの想いを抱いて一つになる



赤いライトが似合うでしょう

静かな風が似合うでしょう

酒と

煙と

音楽と

狭い空間の中でひとつになる



昨日も今日も

明日さえもここには存在しない

深い

深い

想いのリズムだけが・・・・




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