心のきょり/凪 ちひろ
わかっていると思っていた
何も言わなくても
長い間 一緒にいたから
あなたはわたしのこと
わたしはあなたのこと
わかっていると思っていた
わかりたかっただけだった
わかって欲しかっただけだった
それが悲しかった
でも仕方がない
一歩、二歩、三歩
心と心のきょり どのくらい……?
ゆっくりやりましょう
サボってしまったぶん
お話ししましょう
十割は無理でも
七割ぐらいなら わかるかもしれない
ゆっくり測りたいのです
あなたとわたしの
心のきょりを
それはきっと
はちみつみたいな色の
時間になると思うから
戻る 編 削 Point(0)