青春の孤独に似てる/木原東子
 
小雨に濡れて
ススキの銀色の
穂を少し羨みながら
宵口のやたらと
ライトが眩しい

足元を見詰め
プラスチックの袋
足もふらふら
空っぽの心と筋肉
ヤクはやってません

こんな青少年のような
気持で心細く
気概も失せ明日も無く
惨めに濡れて
ネコバスを待っている

来ないことは長い経験からわかっている
弧老のちいさな未来
暗闇に消えて行く
ときどきライトが照らすが
その歩行は邪魔なだけだ

もう自分が誰か
わからない、少しはわかっていたが

戻る   Point(11)