振り子の夜/つむ
絶望と希望はいちにち一往復が限界だった
苺のような滴りに身をゆだねながら
時を呼びよせる甘い夢をみている
木から落ちてゆく大きな白い花びら
スローモーションの重みの永続
僕の傷口で虫たちが休むので
目を閉じて浸食に耐える、冬は
やわらかいものが皆凍ってしまう
血も、水も花も
永い苦痛すら一往復でこと足りる
青みがかった果実のような片道を今
足首はくじいたままで、透明な
痛みの季節にも花は咲いて行く、だが
(鳥よ 遠い地平から群れをなして現れ
空を塗りかえる喝采となれ、)
蛇腹に折られた階段が蠕動を始め
ささやかな光を掃い落としてしまう
止まれ、時間は
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