詩/ぎよ
 
猫のひげが巻きついた星の判断が秋風に吹かれている。小石はその巨大な耳を痙攣させながら酒場という酒場に愛のリキュールを撒き散らしてゆく。そのとき雨の棺を夜が跨ぐ。すべてを照らし出す幼年時代の夢想が彼女の足跡を愛撫するのだ。だが永遠だけは枯枝の先端でじっと孤独に耐えている。
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