足跡/
空中分解
宇宙服を着ている
砂漠のどこかを歩いている
汗は服の中にたまり
暑さは極度の疲労をうむ
ぼくはもうだめだ
先に行っておくれ
彼女は何も言わずに手を差し伸べる
ぼくは ぐん、とくぐもった音を出しその手を取る
そして彼女の顔を確認しようと中を覗き込む
でもヘルメットに映ったのはぼくの宇宙服で
彼女が笑っているのか
それとも泣いているのかは判らなかった
ぼくらはまた不揃いな足跡を地面に残しながら
砂漠を歩き始めた
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