井の中の蛙/
みふみ
井戸の中で暮らしていれば
それなりに幸せだった
時代が私を押し出した
広く険しい世界へと
飛び出した蛙は
戸惑いもがいて
井戸を恋しがる
けれど蛙は知っている
井戸の中には
僅かな幸せしかないと
もう帰れない
広い世界で
大きな幸福を探そう
傷つきもがきながら
井戸が恋しいと泣きながら
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