似た言葉/藤鈴呼
似た言葉を 繰り返して しまうのは
きっと 本当に
そう思って いるからなのでしょう
或いは 本当に そうでなければ良いと
信じたいからなのでしょう
そんな風に 確認作業をしながら
私たちは 紡ぎます
それが たとえ 言の葉に ならなくっても
ふわり 通り過ぎる 風のように
目には 見えぬ もので有っても
誰かの心を かすめたり
言葉に出来ぬ空気が 澱んだりしながら
私たちは 生きるのですね
湖面に映る 葉のように
少し 微かな幻影をも 抱きながら
そう 紡ぎ終えて 耳を 澄ますと
あの曲と 似通った メロディーが
流れて来ました
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