俺の心にはいつも/番田 
 
街の中に確かなものは何もなかった
生きていることだけ
長いぼんやりとした毎日の中を
ぼんやりと 糸を 伝うように

忘れられたらと思う
今までのぼんやりとした苦しみの類を
私の見ている頭の中から



日々はいつも疲れていた
疲れることなど何もしていないのに
けだるさが体の中に降り積もる

そうして 忘れていくのかもしれなかった
本当は どうでもよかった
自分がここにいさえすれば

戻る   Point(1)