三千円高い女/はだいろ
のない三千円であった
ひとつ高い階段から見る景色が、
どれだけ違うかというくらいの話である
ぼくのアパートの階段から、
スカイツリーが見える
ぼくはこのまま東京の人になるのだろうかと思う
吉田兼好の徒然草を読む
女は字だけの本は読んだ事がないと言う
東野圭吾をすすめてみる
初めて読むには、最適だと思う
むかし赤川次郎
いま東野圭吾
中身のある赤川次郎という感じだろうか
吉田兼好のような世捨て人にはとてもなれない
女が帰った後、
鏡を見て、笑ったしわがそのまま顔に貼り付いている
ぼくはびっくりしてしわをこすってみる
色欲のあるうちに、
遊んでおきたいと改めて思う
貯金なんかしている時ではない
いまのうちに、欲にまみれておきたい
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