孤独/
凪 ちひろ
の使者が
見たこともない新しい色のそれを持ってくるのを
繰り返し 繰り返し 受け取る
宝石は
手の平にずっしりと重く
あるときは
霧の中 まだ見ぬ恋人を探して放浪させ
あるときは
物哀しい美しい旋律に泥酔させ
あるときは
二度と這い上がれない絶望の淵に叩き込む
まるで
試練のように
使命のように
宿命のように 手渡されるそれを
拒む術がないなら
せめて自ら飲み込むことができるよう
人は
強靭な心身を創り上げるべく
ただ 励むのである
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