エコーズ/るるりら
 
A
枯れ葉が 裏も表も見せながら落ちて
そのうち葉脈だけになり 
葉脈の下では 貴族のようなおももちで
うずくまっている それは わたし

B 
独りきりの夜 ちいさく もりのくまさんを 歌う
フレーズごとに 耳のところに手をおいて
アルヒ 南極は北極に恋ヲスル ハナサク コイノウタ
月の輪熊さんなら おひげのはえかたは あのひとと 同じ

C
ゆうやみが せまるのと あさが くるのは 同じ スピードで
愛する人を待ちながら 
感じる
獏の体は熊、鼻は象、目は犀、尾は牛、脚は虎

A"
空を見上げると 
木の葉をつた
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