マンカインド/salco
 
に注がれ
同時に彼は良い給仕であり
権威のケツを舐め回すのが何より好きだ


  
亦、男在り



 徒労或いは神聖

ふと、その顔は
ムイシュキンを思い起こさせる
何も知らず
何もかも知ってしまう
常に加害者たり得ず
被害者にすら堕ちない顔
何一つ手を下さぬくせ
きっと全てを混ぜっ返す
しかし天使づらであり続ける
子供の懊悩のように
あらゆる審判からすり抜ける
ドストエフスキーの垂らす
インクの行間を歩き回る男
うず高く積まれた文学書の中を
散策する見物人達に愛される事で
その悲劇的終末を相殺している連中
そういう手合いの顔をしている
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