マンカインド/salco
室内楽
感銘という
陳腐な言葉で飾り立てられた
フリルとボウのブラウス姿の種馬が行く
題字ばかり大きい
ささやかな詩集を片手に
トム・ジョード役ばりの
理知的気品を醸し出す歩幅を以て
百ワットの電球の行列と
リノリウムの大理石の間を
蒼白く病んだ
何より行儀のいい謙虚と誠実は
三段腹のゴ婦人がたや
インポをかこつ紳士諸氏に
カンメイを与えるものだ
せせらぐ清流は
水虫でぶよぶよな足を浸す為に在る
しかもスリッパを履いたまま
侏儒(こびと)がその容姿で
人々の嫌悪を集めぬ為には
いっそう献身的に
人々の役に立たねばならない
善良すなわち
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