別れ/ぎよ
 
あの娘が出て行って一人取り残された僕
スポンジケーキの星が天井にぶらさがっている
悲しみのレールを音もなくビールの泡が走る
だからといって握り締めた携帯電話には雑草が生い茂るだけで何も歌わない
そして魚肉ソーセージの憂鬱は冷蔵庫の陰で足組みをしている
彼女の虹色の髪を妖精が運んでくるが
それをただちに叩き潰す汚らしい手
行き場を失った愛の言葉がベランダから次々に身を投げる
彼女の涙 彼女の涙
宇宙の美しい均衡は一瞬で失われ
すべては醜く巨大な尻の下のポテトチップス
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