果物のかおりの君/やや
 
六感を 全て盲する君との恋


暗闇に浮かび香るクチナシの列


生活を全て書き出し提出する


日が差して暑い手足冷たい中身


旅の友 一本くださいその指を


君だけが言ってくれない誉め言葉


鳥の悲鳴みたいに鳴く自動ドア


永遠に閉まる気がしない玄関の門


秘密だよ毎晩夢で溺れてるの


わがままにもてあそぶようにしんけんに


自由という名前の太い鎖売る


ふと握る老いた手の甲第二間接


つまらない嘘ばかりついて白日に死ぬ


優しい人になりたいがために眼をなくす


果物の かおりの君と 虫の僕
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