ブルーライン/伊月りさ
 
の背中に
太古の恐怖がのりづけされるのを見た
見える、
見るものを求めているのだ

きっとそうだったのだろう、
あの渓谷の人々も
みずからを誤らないように
あやかしを求めて
倍増する居場所に
つながっていられるように
言葉を尽くしてきたに違いない

溶け込めない
わたしを
並走する川はながめている
未来ごと
押し流すには
くるぶしまでで充分だとわらって

きみが
異国なのだと気づいたら
もう、そこは旅の終わり
弾けた残骸が
紅葉になったら また
いだかれようという約束は走る
何度でも待ち合わせて
待ち合わせて

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