やわらかくあたたかくとうめいなもの/つみき
とうめい/だった
―.
透明だった、でも紛れなかった
やわらかさを感じて、温度がある事を知った
それぞれが違う形をしていて
それでも丸みを保っていた
誰か、が
誰かが
愛と呼んだ
それは遠すぎる正解のようで
仕方無く彼等と同じように肩を寄せ合い
歪なそれを愛と呼んだ
―.
透明だった
いつだってそれが欲しかった
軽薄なオブジェに押し込められて
まるで等しい物であるかのように
愛と呼ばれた物ではなく
不確かな、その
―.
とうめいだった
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