やわらかくあたたかくとうめいなもの/つみき
 

 とうめい/だった

―.

透明だった、でも紛れなかった
やわらかさを感じて、温度がある事を知った

それぞれが違う形をしていて
それでも丸みを保っていた

誰か、が
誰かが
愛と呼んだ

それは遠すぎる正解のようで
仕方無く彼等と同じように肩を寄せ合い
歪なそれを愛と呼んだ

―.

透明だった
いつだってそれが欲しかった

軽薄なオブジェに押し込められて
まるで等しい物であるかのように
愛と呼ばれた物ではなく

不確かな、その

―.

 とうめいだった


戻る   Point(4)