交差点で足を止め、空をみる/
空中分解
緊張しているせいか
街に匂いがあることを思い出す
それは
呼吸を止める存在の
まっとうな足跡の
あるいは
絶望の
その中にある
親しみの
赤い血の
空に上る風船の
それを手放した少年の
その母親の
昔見た夢の
ただ一片の
終わりの
持ち越された
憎しみの
そして
金色に輝く街の明かりの匂いのようだった
一歩足を前に踏み出し
少なくともこの通りの向こうまでは
歩いて行けそうな
そんな気がした
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