交差点で足を止め、空をみる/空中分解
 
緊張しているせいか

街に匂いがあることを思い出す

それは

呼吸を止める存在の

まっとうな足跡の

あるいは

絶望の

その中にある

親しみの

赤い血の

空に上る風船の

それを手放した少年の

その母親の

昔見た夢の

ただ一片の

終わりの

持ち越された

憎しみの

そして

金色に輝く街の明かりの匂いのようだった



一歩足を前に踏み出し

少なくともこの通りの向こうまでは

歩いて行けそうな

そんな気がした
戻る   Point(3)