キャッチボール/N.K.
 
千年の紀憂の後
青天の霹靂
四月--最も残酷な月を経て
「日常」のここかしこにぽっかりと穴が開く
礫が
ここへ飛び込んで来る
否応なく後から後から
季節が残酷に生気を充填していく中へ
例えば教室の静寂に耐えきれなくなる小さな生徒と
その口に上った冗談に
同調して肩を震わせるあどけない周りの生徒たち
いつもなら叱るありふれた出来事が突然たじろがせる
 
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