「夢見る少女」/あやとり
 
窓のそば夢見る少女一人立つ
精神を病んだ少女の見る夢は
幸せな普通の家庭手に入れる
そんな子を心配そうに母は見る
社会から隔絶してでも守り抜く

歳月が立っても少女は少女のまま
苛立と焦りが彼女を襲いだす
自立したい子供が欲しい働きたい
情熱のぶつけどころがないままに
夢だけが空しく心にこだまする

鳥になり彼女は部屋を抜け出した
初めての摩天楼の町並みに
よろめいてきりもみしながら舞い降りた
青年の軟派の言葉に耳を貸し
初めての契りを交わす一夜切り

妊娠の三ヶ月目で気がついた
母親の反対押し切る勇気もなく
悲しいが病院向かうその途中
またしても彼女の背中羽生えた
ふらふらと頼りなげに飛んでゆく

狂おしいそんな言葉が似合うほど
母親は飛んだ少女を捜してる
保護された少女は云った産みたいと
子供だと思っていたのは間違いと
母親も共に育てる決心す
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