頂きます/一 二
 
人は昔
山や森から旅立ち
平らな場所を更に平らにして
共同体を作り
田畑を作り
自然から借りたものから
自らの築き上げたものから
実りを得ていた
今もそれは続いている

しかし
自然は人に恵みをもたらすも
人を喰らい
作物の実りと引き換えに
人命を要求する荒狂う自然もいる
ことを誰もが忘れている

場所や時代によっては
神と言われはすれど
その姿は魔物そのものであり
一切の慈悲もなく
嫁入り前の娘を喰らう神
いや神に非ず
神とは人が罰を犯さない限り
決して裁きは下さらない

人はそれも自然の理だと諦めていたが
時にその圧倒的な力に
立ち向かう
[次のページ]
戻る   Point(4)