半袖の秋/はだいろ
 
、そう思った。
なんだか、視界が暗く、
焦点がぼやける。
ぼくはもっと新鮮な世界を選びとりたい。
ただそれだけだ。
ほんとうに、ただそれだけなのだ。

ベッドからまるで起きられない彼女は、
ぼくが買って行ったケンタのポテトを、
いっぽんずつ、つまようじで口へ運んであげたら、
もしゃもしゃと、
一袋、食べきることができた。
ちょっとおならまで出た。
よかった。
もしこのまま食べられない状態がつづけば、
首の血管から、
栄養を入れなければならないらしい。
もう秋だ。
外へ出たら、
半袖では、ちょっと寒いくらいだった。







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