ラクダ/王
クダが地平を進んでいく
ゆっくりとしても止まらない
いつまにかすっきりとして
茶色いアラブの馬と化けたんだ
君と僕は向こうとこちらで
手を振るだけのキャラバン隊
遠い宇宙をさまよい続け・・
太陽が前の車に反射して
まぶしかったのでおもわず
追い抜いてしまったけど
そのスピードが悲しくて
左の車線に移ったのさ
もうすぐ
もうすぐ寒い季節なんだ
空港のパーキングから
とんでもない量の荷物を運ぶ
これからは君が運ぶんだ
大変だぞ
大変よあなたが手伝って
君は笑って泣き始める
見送るのは三度目でもう慣れてもいいんだけれど
涙につられそうになったんだ
今度ラクダの詩を書くよ
歌にしてもいいな
ラクダに君を乗せて
どこにもたどり着かない旅に出るんだ
ゆっくり歳をとって
じっくりと全てを手に入れよう
晴れた青さの向こうにあるものなど
実は想像力の乏しい僕はスケッチできない
映せるのはたった今の寂しさだけだったけど
君は何かを知っていたかのように
長い間僕を抱き
そしてそれが君が僕を抱いた最後になったんだ
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