だんごむしのロンド/つむ
ごむしなので
声は立てません
だんごむしなので
聴こうと望むこころしか持ちえない
だんごむしなので
聴くことは叶わないのだと
だんごむしながら
知っているのです
四
美しいと思うとき
だんごむしは腹を見せ
しかし地球はこの回転する大宇宙の
ほんのはじの灰色の雲を抜け
突風をかすめ黒い地面へ衝突し
その上に 無様にころがる
だんごむしなので
だんごむしなので
望みえないと しっている
聴けないことも知らないよりは
聴けないことは知っていて
聴けないだけの 我が身と共に
音なき日々を転がろう
初夏の残光は世界を濡らし
春の凍土は冬より寒く
ちらつく雪は星より熱く
死骸を埋めるにふさわしい
聴けない罪を負ったまま
無音のかなたへ 朽ちてゆこう
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