七坂心中/paean
 
 彼らはわたしだ。わたしたちはゴミ候補だ。突き詰めればつまり同じゴミだ。ゴミとしての先達があんなふうに行ってしまって、ゴミ候補○号(いったい何号?)は動揺している。わたしは免許証と、不味いキャスタマとスイマーのライターの、いちごとリボンとお花が描かれたやつ、回転ドラムを恐る恐る十回もまわしてようやく火の点く、「親指拷問機」と呼んでもいいようなそれを、とにかく助手席に放って、車を出して、最近倒産したガソリンスタンドの跡地まで行く。よく知らないけど、ガソリンスタンドの地下にはオイルタンクがあるんでしょう。だから、きっと、地面のどこかにその入り口がある。父の工具箱から盗んだドリルで、アスファルトごとタン
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