月夜の迷い/
菜穂
月の見えぬ夜はどこか淋しげで
そこに存在しているはずなのに
覆い隠され見えぬ姿は
人の心と同じ
本当の自分など
考えてもわからない
どれが本心かなど
もはや闇の中
移り気な私のココロは
水面に浮く木の葉のごとく
流れ行く先も見えぬまま
気まぐれに流れゆく
それでもいいじゃないかと
笑っていよう
真実も偽りも
闇に溶けてしまえばいい
ただ、風に流されよう
たどり着く先が見えなくても
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