心理/つみき
 

「アーァ、全身打撲のように痛む心!」
カナシミを忘れるために雨の中叫ぶ僕!

ニタニタと笑う老婆はまるで骸骨/死神の影と重なっている、僕を呼んでいる!
水溜りの中の世界は僕の顔と同じ鉛色だ、畜生、波紋で歪んだところまでそっくりだ

嗚呼あの時計の針は逆に回転しないだろうか、あそこの時計はどうだ、向こうの時計は、鏡に映っているあの時計、何故僕はこちら側で生きているのか!

  電話が鳴る、電話が鳴く、哭く、亡、く

五十回目のベルで取るつもりでいたのに四十九回目で鳴り止んでしまった、これは何かのメッセージに違いない

四十九個のカナシミを集めようと僕は片手にナイフを持って、痛む心を引き摺りながら張り裂けそうになっている

  時計が逆回転を始めた


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