ノート/森未
大好きなものがたくさんあったの
愛しいひとがたくさんいたの
そんなものに
線引いて消していくのが
大人になるということ
あきらめてわらう
あきらめてなく
大好きなものが、愛しいひとが
鉛筆で塗りつぶされた下で
同じように泣いてる
ごめんね
ごめん
そうじゃないって
消しゴム使って
悪あがきしたい
あの時の
大好きなものに、愛しいひとに会いたい
記憶の中で少しずつ薄まっていく
やわらかい悲しみを信じたい
線ばっかり引かないで
ぐるりと大きな丸で囲む
そんなノートをつづるの
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