星の砂が零れるみたいに/
乱太郎
僕に詩(うた)を下さい
書き損じの紙切れ
池に舞い落ちた木の葉
真夜中の月の海
僕は何処かに置き忘れているのかも
駅の遺失物の棚
旅先のホテルの一室
ツンドラの森に
いつも
僕を支配しているのに
いつも
僕を悩ましているのに
あのひとにどうしても
届けたい
たった一言
想い出させて欲しいのです
あのひとが気づく前に
北斗七星が南のほうに傾いて
あのひとのグラスに注ぎたいのです
ワインレッドのような言葉で
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