悲しい夜/ぎよ
 
幸福は夜の街の背骨を静かに転がっていた
肉の空に欲望が星座を刻むので
僕はガラスの羽をむしる
植物学的な憂鬱が赤い涙を流す
コインの裏で窒息する女をよそに
星たちが地上に唾を吐きかける
僕の人生は禁じられた余白で一杯だ
戻る   Point(1)