強い日差し/山寺直樹
強い日差しを浴びながら
僕はメキシコシティにひとりぼっちだ
寂しいわけじゃないけれど
今日も一人で町を歩く
通り過ぎる人が皆
まるで僕を嘲笑っているように見えるのは
僕がひねくれ者だからだろう
傘も差さずに雨の中を歩く
僕にはもう傘を差す理由もないんだ
冷たい雨も暖かい雨も
僕の眼の中に入ってくる
野良犬が僕の傍を通り過ぎていくよ
君はどこから来て どこへ行くんだい
お願いだから返事をしておくれ
もしあなたが寂しさを感じたときは
どうか 僕のことを思い出してください
こんな僕でも一人で生きているんだ
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