水底の虫/
結城 希
日は落ちても、
積み荷は減らず、
思考は
水底の虫のように
降り積もる澱のなかに
埋もれてゆく
明日はまた違う明日だとしても
私はいつまでも
変わることができずにいる
それでも私は
積み荷を運び続けるだろう
月のきれいな夜に
水面から 羽を広げる時を夢見て
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