浜辺の砂/アヤメ
海のステンドグラスが
ただ青いまま
砂の仲間と 戯れる
星のソーダやオレンジの太陽を食べて
波に守られおだやかになった
あなたの手が私を守るなら
わたしはもう散らかってしまいたい
その砂に人が砕け
その砂に人が散った
石であるとは誰も知らない
近い記憶も見当たらない 波の寄せる浜辺
鋭さも重さも 何もかも離れていって
わたしの心は今や一握の砂
集まっても集まっても風に舞い落ちる
わたしの手があなたを傷つけるなら
あなたはもう波打ち際のダイヤモンド
輝かしいことなど分かっている
波を行き帰るガラスにもなれず
わたしはただの砂の女
やがては崩れる砂の女
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