大道芸人が見た風景/itukamitaniji
 
大道芸人が見た風景

自分の名も忘れた浮浪者か それとも今の暮らしに落ち着くか
恐らく成れの果ては せいぜいそんなところだろう
いつか絶対に 目を覚まさないといけない時が来る
期間限定の夢を見ながら この街で暮らしている

狭い路地をすりぬける風は 生ぬるい臭いを運んでくる
誰かが捨てた夢の遺骸は 蹴飛ばされて踏んづけられて
似たようなオチを繰り返して それでも新しい花は咲き続け
これから盛りを迎えるか それとももう枯れてゆくのか

これまで生きてきて 何度も見てきた場面がある
名を呼ばれた者の歓喜と 選ばれたなった者の涙
足して引いて結局は零 そうやって世界は創られる
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