銀河の下で/砂木
暗くなる前から隠れる所を捜した
冷たい風を避けて 二人は草の茂みに潜んだ
ざああ ざああ 荒れ気味の風が林檎畑を走る
強い風に羽があおられて もっと草の奥へと
二人は入り込んだ
夜空に星と月が きりきりと輝き
四枚の羽は どれも傷付き
夜露に濡れたくはなかったが
木の葉の裏では たたき落とされてしまう
二人は 草の奥でじっと 朝の陽ざしを待った
深夜 冷気はますます強くなり
柔らかな草は 徐々に凍りつき
凍りついた草は 氷の刃となって
とんぼ達を苦しめはじめた
草に触れた部分が 痛めつけられる
背中に乗るように 片方のとんぼが促した
動かなくなって
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